◆企業のハラスメント防止措置と懲戒処分の関連
懲戒処分を行う前提として、企業においてハラスメントに関する
防止措置(トップの宣言、就業規則等の整備、相談窓口の設置、
従業員研修等)が適切に行われている必要があります。
防止措置によってハラスメントの禁止を周知しているのにも関わらず、
ハラスメントに該当する言動を行う従業員には厳しい処分を行います。
逆に、企業がハラスメント防止措置を十分に行っていない場合、
企業側にもハラスメントの発生について一定の責任があり、
ハラスメントを行った従業員だけの責任を問うことは難しい面があります。
この様な場合、企業のハラスメント防止措置以前の事案については処分を
軽減すること等も考慮する必要があります。
そして、速やかに各種のハラスメント防止措置を行い、
その後のハラスメント行為者には厳しく対応することを従業員に周知します。
また、ハラスメント事案が発生した場合に、
会社として行為者への注意と指導を行わずに放置してしまい、
問題が大きくなった時にいきなり懲戒処分を行う等の進め方も、
(処分の重さにもよりますが)不当な処分になる可能性があります。
懲戒処分は従業員に不利益を与える措置であることから、
懲戒処分の必要なレベルに達する前のタイミングで注意や指導を行って
問題を解決することが大切です。
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