ハラスメントと懲戒処分(2)
前回に続き、ハラスメント行為について懲戒処分を行う場合の留意点について
お伝えします。

まず、ハラスメント行為の発生時に規則違反でないことについて、
その後に罰則を定めて罰することは行ってはなりません。
また、事案の発生後に、従来よりも罰則を厳しくして適用することも同様です。
例えば上司が部下にパワハラを行ったことが明らかになった後で、
懲戒の基準を従来よりも厳しくして処分するような事は不当な処分となります。
さらに、ハラスメントについて懲戒処分を行った場合、
一つの案件について複数回の処分をしてはいけません。
何度も処分を重ねてしまうと、そもそもの懲戒ルールが不明確になるばかりか、
処分を受ける人が不安な状態になり仕事に専念できない等の問題が生じます。
また、懲戒処分の程度を決める場合については、就業規則との整合性や、
社内における過去の懲戒処分とのバランスを考える必要があります。
過去の事例と比べて処分が厳しすぎたり、甘すぎたりという事があると、
それ以降に発生した懲戒案件についての適用基準が不明確になります。
特に、過去に類似の案件がある場合は、その時の処分と整合性のとれるよう注意します。
懲戒処分を行う場合、後々への影響も考えて慎重に実施するようにしてください。
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